トライアスロン歴1年4ヶ月でIRONMANになった話(後編)
随分前のことですが
2018年11月にIRONMAN Malaysiaに参加した時のことを記事にしたいと思っていたので記憶を頼りに書いていこうと思います。
後編は大会レポートです。
私がアイアンマンを目指すきっかけなどを書いた前編は コチラ。
スイム(3.8km)
スイムはPantai Kok Beachを1.9km2周回する3.8kmのコース。
水温が高いためノンウェット、水質はとても綺麗ですがなぜか視界は悪い不思議な海でした。波はほとんどなくおだやかで初心者にも泳ぎやすい海でした。
ローリングスタート(同じくらいのペースの4〜5人ずつスタート)で申告タイム順なので、チームメイトとはここでお別れ。私はスイムが苦手なので1時間30分目安の列に並びスタート。
海上は絶え間なくコース目印の旗が立っているので、海でまっすぐ泳ぐことが苦手な私でもまっすぐ泳げました。
バトルに巻き込まれることもなく、マイペースに泳いでいると、1周目が終わる頃に肩をトントンと叩かれ何事かと思ったら、、、2周目を泳ぐチームメイトのアンディ(10月にハワイ・コナで行われるIRONMAN世界選手権に出場するアイアンマンのスペシャリスト)でした。笑 私の倍速以上で泳いでいる彼は本当にすごいなぁ、と感心しながらも、途中でチームメイトに会えてちょっと安心できました。
1周目のタイムは50分。順調に1時間40分くらいでスイムアップできそうだったのでこのままのペースで2周目に入ったのですが、残り700mのところで突然の嵐。土砂降りに加え急に高波になりブイに捕まったり船に救助されている人たちが続出。海から上がるよう指示されているのか、運営の方たちの大きな声が聞こえていたのですが、ここでやめて万が一リタイア扱いになったら嫌だし、周りに泳いでいる人も数名いたので、泳ぎ切ることを決意。スイム中普段キックは打たないですが、キックを打ちまくりなんとかスイムアップ。
スイムタイムは1時間44分27秒。
想定よりかかってしまいましたがまだ一種目終わっただけなので反省は完走してから。シャワーで念入りに砂を落としてバイクにうつります。
バイク(180km)
バイクは島一周約90kmのコースをほぼ2周回する180kmのコース。総獲得標高は1500mに及びます。
とは言っても細かいアップダウンが多いだけで、力で登るのは2箇所のみ(2周回なので計4箇所)。日陰も多めでエイドも20〜30kmごとにあるので暑さに弱い私でも水かけで熱中症回避できるコースでした(当日は30℃程度)。
バイクスタートと同時に雨は止み、前半は雨のおかげで少し涼しめのスタートでした。バイクではさっそくアクシデントが。第1エイド(約30kmの地点)で水を補給する際になぜか左足のクリートが不調でペダルにハマらなくなってしまいました。メンテ不足も実力のうち、仕方ないので残り150kmの道のりは左足はビンディングなしで乗り切る決意をしました。
バイクは一番得意ですが練習不足だったため多少の不安もありながら、登り以外は巡航で30km/hを下回らないように走りました。
途中何度か仲間にすれ違えたり、100km辺りでエアが一緒で仲良くなった日本人男性Kさんに出会い、少しお話できたのもかなり力になりました。
(IRONMANはドラフティング禁止のため話せたのは一瞬です)
Kさんと20kmほど抜きつ抜かれつしながら走行できたので元気回復したところでお先に失礼し、残り60kmまたひとり旅でした。
残り40km地点で残りの距離と自分の足の状態を見て今回のIRONMANは完走できると確信し、安堵の涙が出ましたが、それでもこの後フルマラソンが待ち受けているので、泣くのは完走してからにしようと気持ちを切り替え走ります。
残り20km地点で年齢が近い外国人男性に抜かれる際、あと20kmだね!頑張ろう!と励ましてもらいラストスパートに入ります。(IRONMANはゼッケン番号が男女関係なく年齢順なのでゼッケン番号が近いと年齢が近いことがわかります。)
180kmに及びずっと抜きつ抜かれつしていた外国人女性をやっと抜けてバイクゴール。
バイクタイムは7時間13分54秒。
平均25km/h程です。7時間を切れなかったのは残念ですがトラブルあった中頑張ったと思います(自分に甘い)。
途中ワニの死骸がいたり銃声が鳴り響いたりモンキーがいたり、とてもクレイジーなコースでしたが楽しい180kmでした。
ラン(42.2km)
ランは1周約16kmのコースを2周半するコース。空港近くを走るのでどフラットなコースで走りやすかったです。ただし日陰は少なく日中走るのは体力が削られるコースです。
今回ランを一番練習したおかげか、ランに入ってとても調子が良くキロ6分ジャストくらいで走れる足がありました。仲間にすれ違う度、めちゃくちゃ元気だね!と言われながら少しオーバーペース気味でしたが気持ち良いスピードで走りました。
が、やっぱりIRONMAN。そんなにうまくはいかず、20kmを過ぎたあたりで足に異変が。異変があったのは坐骨神経痛で痛めた右太ももでもなく、ビンディングなしで150km踏み続けた左足でもなく、なんと足の裏でした。スイムアップしてからバイク180km中、熱中症予防のためずっと頭と太ももに水をかけていて、ラン中もエイドの度に頭から水をかけ続けていた結果、足がふやけて皮膚が破けてしまったようです。ここで靴を脱いで足の状態を確認しても足が痛いのは変わらないしあと20km走らなければいけないことも変わらないので、特に確認はせず坐骨神経痛の痛みが耐えられなくなったときのために持っていた痛み止めをここで飲みました。
熱中症予防のため水をかけまくる
痛み止めが少し効いたのか10kmくらいは走れたのですが、足の裏のヒリヒリする痛みに耐えられず残り10kmは歩くことにしました。前回の宮古島は歩かず最後のフルマラソンを走り切れたこともあったので、とっても悔しかったのですがトボトボ歩き続けました。残り2km地点でもうとっくにゴールしていた仲間たちが声をかけてくれてまた走り始めました。トボトボ走りながら何とかゴール。
ランタイムは6時間1分44秒。
総タイム15時間18分16秒。
宮古島のランタイムを上回れるよう練習していただけに1時間近く遅くなってしまったのはとても悔しかったですがこれも実力のうち。また次頑張ろう。と猛反省していたら、、、
「みずきちゃん、年代別3位だって!!表彰台だよ!!」
と仲間が声をかけてくれました。
15時間かかってるのに3位って、、、微妙な気持ちでしたがそれでも嬉しいものは嬉しい。
しっかり表彰してもらいました。
悔しい思いも苦しい思いも痛い思いももちろんあるですが、走り終わってみると、
「あーーーーー楽しかったーーーーーー!!!!」
としか言葉が出てこないのがIRONMAN。本当に本当に楽しい15時間でした。
IRONMANは苦しいのにやみつきになる。
麻薬よりタチの悪い不思議な競技です。
このなんとも言えない快感を得るために次のレースに向けて練習を頑張っていきたいです。
今後IRONMANに向けてのトレーニング方法や食事方法なども更新していきたいと思っていますのでお楽しみに!
mizu